2度目の転勤。
目次
予言的中⁉
「覚悟した方がいいわ。」
転勤前、お客さんに開いて頂いた送別会で出会った、とある霊感があるという方に、泣きながらそう言われた。
「新天地はあなたが思うよりも苦労が多く、大変だから覚悟したほうがいい。」
普通そんなこと言うでしょうか。私含め、お客さんも唖然としていた。「なんで泣いてるの。」と。
しかし、今更異動を白紙にすることは当然できず、不安しか残らない激励を胸に残し、新天地へ行くことになったのだ。
「泣くほど大変なのか。もう勘弁してください。」そう思った。
予言は的中した。
新天地で台風による大規模な水害が発生したのだ。赴任日初日は、初めましての挨拶も満足にできないまま、お客さんの復旧作業から始まった。しばらく泥まみれになりながら仕事をしていた。とても大変だった。「この事を言っていたのか。予言的中だな。」そう思った。
先にお伝えすると、私はこの新天地に2年間いることになる。
やりたいこと
この地では、地元の規模の大きい得意先を担当させて頂くことになり、私自身多くの学びを得ることができた。
私は「営業としての軸」を更に昇華させることを目標に新天地に降り立った。
漠然とだが、「この地が営業としての集大成の場かな。」と、なんとなく思っていた。「今までの経験値を全て出し切ろう。」
話は戻るが、この地で学んだ中でも最大の学びについて話してみようと思う。
それは売上の作り方だ。
一般的に、売上を作るには既にある需要の中で自社が選ばれるように競合他社との競争に勝ち、注文を頂き、実績を作る。
ただ、それではいつまで経っても競争から抜け出せないと思った。もちろん競争相手がいるから切磋琢磨でき、会社も成長していくというのは事実である。
私はこのスパイラルからの脱却が、自分の「営業としての軸」を実現させるための最終地点だと考えた。
出した答えは、需要を創造すること。
そしてその需要は、私が担当している得意先が作り出し、売上を作るということである。
まさに、「ニーズの解決=その得意先・商品」となること。
つまり、ユーザー様から「選ばれる会社、選ばれる商品」になることだった。
そんなこと当たり前と思う方もいるかもしれない。ただ、これを実現させるのはとても大変だ。
なぜならまだ見ぬ潜在ニーズを顕在化させることも去ることながら、ただの営業マンが得意先の内部にまで入り込んで、得意先の売上アップの道筋を一緒に作らなければならないからだ。
しかも一過性ではなく、継続して売上が作れる体制を構築しなければならない。
難易度は高かったが、やっていて今までにないくらい楽しかった。色んな議論をお客さんと交わし、色んな取り組みができたからだ。
何よりもそのお客さんと同じ方向を向いて、真剣にその活動の結果に拘り、活動していく過程が本当に新鮮で楽しかった。
結果は、まだ私とその得意先の社長が掲げた目標には届いていないが、前年比120%を上回る実績を私が担当させて頂いている期間で作ることができた。
しかし、まだ目標の途中である。
現在は、その舵取りをその得意先の営業マンが行い、今もなお、目標達成に向けて活動を続けて頂いている最中である。
この活動を通し、商品が売れる仕組みを考えること、すなわちマーケティングの面白さを知った。
やりたいこと。マーケティングの勉強。
この会社に入社して初めて、自分の中でやりたいことが明確になった瞬間だった。
営業という職種
営業という職種は大変だと思う。会社の売上、すなわち利益を生み出す使命を担っているからだ。
毎月与えられる計画に頭を悩ませ、月末や期末は事務処理に追われる。私は月末がとても憂鬱だった。
上司からの数字の詰めと月末処理、毎月末訪れるこのイベントに、心も身体も疲れ果てていた。
今は働き方改革の名のもと、多くの企業が残業削減の取組を実施しているので昔と比べると負荷が減っている営業の方も多いかもしれない。
ただ、営業である以上「計画」というものからは逃げられない。毎月、ひょっとしたら毎日追われている方もいるかもしれない。
私もそんな営業マンの一人だった。営業は自由のない雁字搦めの職種だと、そう思っていた。
しかし、先の経験を通し、営業はある意味自由な職種だと考えるようになった。
計画達成に向けた売上の作り方に決まりがなく、ある意味自由に売上作りを設計できるからだ。
営業は、自分の好きなように計画達成までの「青写真を描くことができる。」
この自由な部分が、営業のやりがいの一つではないかなと思う。
すなわち自分のスキルアップと絡めることが可能ということです。
是非、自分ならではの計画達成までの「オリジナルストーリー」を作成し、自らのスキルアップを兼ねて、計画達成に向けて活動して頂きたいと思います。
それでは、次回「断固たる決意」でお会いしましょう。