月末の自分へ

【第一章】ep5.ブラック営業マン_出会いと感謝

一期一会。

目次

モチベーション⁉

この5年間はたくさんの出会いがあった。今回はその中の1つの話である。

とある日、とある社長から電話があった。

これからお店に来てほしいと。電話があったのは夜の20時頃である。私は得意先との定例会が終わり、帰ろうとしていた時だった。

「絶対行きたくない」そう思った。

ただよく話を聞いてみると、今日お客さん同士の集まりがあり、その社長が幹事で2次会のお店も予約していたのだが、みんな1軒目で出来上がってしまい、帰ってしまったというのだ。

その社長は予約した手前、行かざるを得なかったらしく、今一人で飲んでいるとのことだ。

しかし、一人で飲むのもお店の方に申し訳なく、当時担当営業だった私に声がかかったということである。

めちゃくちゃ葛藤した。断ろう。とも思ったが、その社長には日頃お世話になっていたのも事実であった。

自問自答を繰り返すこと30分。私はそのお店の前にいた。

衝撃が走った。店の入り口を抜け、店員さんを見た瞬間にだ。あまりにも奇麗すぎたのだ。人生初の一目ぼれだった。

「来てよかった」なんと不純な気持ちだが、素直にそう思った。「社長、呼んでくれてありがとうございます!」

翌日、早速昨日の出来事を職場の先輩方に話した。「一度、行きましょう。間違いないので。」

無論、その週の金曜日、我々はそのお店にいた。「間違いないわ。」店を出た先輩がそう言っていた。

こんな風に思っていたということを、その方が知ったらさぞかし気持ち悪がられるだろう笑。もしくは分かりやす過ぎて知っていたか。

そこから、週末そこのお店に行くことが我々の仕事をやり抜くモチベーションになった。

不純な動機を持つ、営業マン集団が結成された瞬間だった。

ただ、出会いも突然だが別れも突然である。とある日、お店に行ったら、その方はお店を辞めていた。

モチベーション集団の解散の鐘が鳴った。

しかし、物語はここで終わりではない。私がその地を転勤で離れて数か月経過した時である。

モチベーション集団の中核の先輩からとある連絡があった。

「その方」が自分でお店を経営するようで、現在クラウドファンディングで支援を募っているというのだ。

なんと縁は切れていなかったのである。同時に輝いているな。そう思った。

その当時、私自身、自分の人生に関して葛藤の最中であった。なので自分の夢に向かって行動している「その方」がものすごく輝いて映ったのだ。そして、素直に成功してほしいと。私は僅かだが支援をさせて頂いた。

結果、クラウドファンディングで目標額を達成させ、現在もお店を経営している。

行きたくない場に行くことも時には大事。

自分を鼓舞するモチベーションの源はなんでもいい。

そう思わせてくてた方との出会いであった。

似顔絵師との出会い

私は営業所主催のイベントの幹事をしていた。そのイベントブースの1枠として似顔絵コーナーを設けた。

私は数多くいる似顔絵師から絵のタッチが気に入り、「O氏」を選ばせて頂いた。

イベント当日、似顔絵の反響はとても大きかった。みんな満足してくれたのだ。私は予想外だった。私は一度も似顔絵を描いてもらったことがなかったからだ。

そこから私がイベントの幹事である限りは毎回「O氏」に依頼させて頂いた。

手に職を持っている人は凄いと思う。その人にしかできない感動を与えることができるからだ。

その人がここに至るまでの道のりは知らないが、きっと数多くの困難を乗り越えて今の位置にたどり着いたのだろう。

その苦労は私の想像をはるかに超えるだろうとも思った。

その方との出会いをきっかけに私自身、「今会社の看板が外れたら一体自分に何が残るだろう。」と真剣に考えるようになった。

今の自分を見つめ直し、将来を真剣に考えるきっかけになった。

異業種の方との出会いで客観的に自分を見つめ直す機会が生まれる。

そう思わせてくれる出会いであった。

いつかこのブログのプロフィール画像を描いて頂きたい。

感謝

この5年間で良かったことの一つは支社の業績表彰で1位をとれたことである。

営業である以上、結果が求められる。売上計画の達成はとても大事なミッションである。

同時に、当たり前だが自分の売上計画の達成には私の担当している得意先の業績も良くなければならない。

そのことの意味を知る5年間でもあった。

「お前、営業としての軸を持っているか。」ある日、先輩から聞かれた。私は即答できなかった。今まで考えたこともなかったからだ。

「軸を持っていないとブレる。お客さんに信頼してもらうにはブレない軸を持つことが大切だ。」と。私の尊敬していた先輩からの一言であった。

その時から真剣にお客さんと向き合うことを意識するようになった。

今お客さんがどのような状態で、何に悩んでいるのか。その悩みを解決するに必要なことは何で、その中で自分にできることは何があるのか。お客さんの深いところまで見て、考えるようになった。

そこから私自身、営業としての軸を設定し、その軸を意識してお客さんと接するように心がけた。

すると次第に社長から会社の課題、経営の悩みなどを話してくれるようになった。

私は次第に、社長との会話が楽しくなっていった。

しばらく経ったある日、社長から「お前の今の悩みは何だ」と聞かれた。

「今、業績順位で支社3位なんです。今期は調子がいいので何とか1位になりたいと思っています。」そうとっさに答えていた。

初めてだった。

私は今まで自分の売上計画が達成したとかしなかったとか一度も話したことがなかった。余計なことを言ったかなと若干後悔もした。

だが、その社長は「よし。お前を1位にしてやる。」そう言ったのだ。

そこからは凄かった。その社長を筆頭に社員の皆さんが計画以上の売上を作ってくれたのだ。本当に感謝しかなかった。

無事に1位を取ることができ、お客さん一人一人に感謝の言葉を伝えた。

支社の業績表彰式でサプライズでそのお客さんからお祝いのビデオレターが流れた時は胸が熱くなった。

「営業冥利に尽きる」そう思った。

時には私の対応不備や態度が生意気で怒らせてしまったこともたくさんあった。だけどその時、真正面からちゃんと怒ってくれたことが今思うととても有難い事だったと思える。

本当にたくさんご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。

本当にたくさん支えて頂きありがとうございました。

感謝しております。

それでは、次回「新天地」でお会いしましょう。

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